2011年9月30日金曜日

キョウトキハダヒラタカゲロウ


 京都にまつわる水生昆虫をもう1種.キョウトキハダヒラタカゲロウです.
 クリンガータイプのニンフの中では日本最大級,シッポと脚が長い分より大きく見えます.またヒラタ系ニンフにしてはかなり凛々しい顔をしていてかっこいいです.石をめくったときの逃げ方もまるでカワゲラのように力強いです.渓流でもほとんど流れのない浅い所,特に暗い所を好むようで,なかなかバシッと明るい所で良い写真を撮らせてくれません.魚が近寄らないような浅瀬にいるためかFFとはほとんど関係がないようです.時期を外しているのかスピナーもダンも見たことがありません.
 今西錦司博士の加茂川フィールド日誌にもちゃんと出て来ます.なおとはクロタニガワカゲロウに生息域と行動がよく似ていると言うのですが,今西博士の本にもそんなことが書いてありました.栃木県では各河川で見られますが分布は局所的です.美山の由良川の支流でもみつけました.僕らにとってはみつけるとちょっとうれしいカゲロウです.
なおと父

5 件のコメント:

  1. ヒラタさんは激しい流れに負けず岩にしがみついておられる方ばかりではないのですか? 素人のボクには このヒラタ家もダウンフォース頭っぽく見えます・・・ 

    返信削除
  2. おくいさん.この種類は平らな葉状鰓が退化してしまっているので強い流れには弱いみたいです.頑張って脚でつかまっているみたいです.

    返信削除
  3. キョウトキハダヒラタカゲロウの葉状鰓はひも状で全く役に立ちません.このことは他のヒラタカゲロウ類と一線を画します.上の写真では下におまけ程度に付いている葉状鰓がよく見えます.確かに,この種類は緩流部に棲息するものとしては例外的にダウンフォースな頭です,僕の考えでは葉状鰓の代わりに発達しているのではないかと思います.ちなみに,FFではほとんど関連がないと書いていますが,クロタニガワカゲロウはまあまあ注目されています.CatskillのAmerican March Brownはこれの近縁種です.なおと,

    返信削除
  4. ムム・・・ 勉強になりました。 
    彼らの餌は異なるのですか?

    返信削除
  5. ヒラタカゲロウ類の食性は藻類をはぎ取って食べるとされますが,この種やクロタニガワカゲロウは暗い所を好む上,よどみの藻類の成長は遅いことからこの類は落ち葉など藻類以外のものを食べていると言うのが僕の仮説です.しかし,飼育するのは難しく,(15度くらいが理想)しかも観察できない(石の下にずっといる)ことから,本当のことはわかりません.なおと,

    返信削除