2011年11月20日日曜日

ノードレスロッド

このところ製作していたノードレス(節無し)ロッドが完成しました。
ノードレスロッドは、竹の節を切り落とし、短い竹片をつないで作ります。
右の写真はそのつないだ位置のアップです。バットはほとんどつなぎ目が見えませんが、左のティップには斜めに色の違う所があるのでわかると思います。
 今回の竿は7'10"とちょっと長めです。つないだ竹片は1スプリット当たり4本。都合48本の竹片をつないだことになります。
 僕はつないだ位置が目立たないようにしたいと思うのですが、火入れ時に色が付いてしまったりして、このように目立ってしまう所が出来てしまいます。できればつなぎ目全部が目立たないようにしたいものです。

 ノードレスロッドは、節が無いので、見た目が凄くスマートで綺麗なブランクです。が、その美しさは作られた美しさとでも言いますか、やはり自然の美しさとは異質のものだと思います。竹は節があってこそと思いますね。

 じゃあなんで節無しの竿を作るの?と言われそうですが、これにはやむにやまれぬ事情がありまして・・・ノードレスは真竹でしかやりません。真竹は竹によって加熱したときに節が黒ずんでしまうものがあります。どういう竹がそうなるのかがわからないので、黒ずむかどうかは火入れしてみないとわからないんです。なので、思い切って節を取ってしまえ!という訳ですね。何が何でもノードレスって訳じゃないんです。と言うか、やらずに済むなら普通に節有りの竿作りたいです。だってその方が楽ですもん。(笑)

2011年11月9日水曜日

エルモンヒラタカゲロウ


 エルモンヒラタカゲロウはやや速い,けどフライでも何とかなりそうなくらいの瀬に生息しているヒラタカゲロウです.
 特徴的な美しい色とその大きさからフライフィッシャーにはよく知られた虫です.ヒラタカゲロウ科の虫はとうていフライではどうしようもないような激流や垂直に落ちる落ち込みの壁などに棲んでいるものが多いので,生息場所が釣り人にマッチしているのも有名な理由のひとつだと思います.目立つ割に集中ハッチに出会うことは少ない種です.
 ハッチ期間は春先がメインですが,非常に長く12月まで確認したことがあります.よく似た近縁種がいるみたいなのでそれを見ているのかも知れません.幼虫時代は典型的なクリンガータイプのニンフです.石の表面の藻類をかじり取って食べます.ダンの大きさはフックサイズにして#10-12くらい,ダイレクトハッチです.
 とても美しい昆虫です.
コクブン
(写真はクリックで拡大します)

2011年11月5日土曜日

アップアイフック

リーダーの話に引き寄せられそうですが
(私もリーダーは渓流用は7.5ftしか買いません)
bigforestさんから出たアップアイのフック。
左が私の手持ちのアップアイフックです。
(全て廃盤ですが・・・)
イギリスのスタンダードフライやメイフライ・スピナーを巻くにはやっぱりアップアイですね。

しかし、アップアイ・フックには致命的な欠点(?)が。
ティペットを結ぶのが面倒なのです。
写真のようにアイに通してから、ボディやヘッドに結び目を結ばなければならないのです。
「テコの原理」でアップアイに直接結ぶと、フッキングが悪くなります(経験でもそうです)。
しかし、この結び方、メンドクサイ。
だからなんでしょうかね? アップアイがサーモンフック以外ほとんど見かけなくなったのは。

2011年11月3日木曜日

マスタッド9672を例に


上がTMC5263#6、下がマスタッド9672#6です。
マスタッド9672では赤矢印からベンドにかけて「平打ち加工(フォージド)」がされているのがお分かりいただけるかと思います。
TMC5263でも同じように平打ち加工されているのですが、その境界線が滑らかになっているので、実物を見てもわかりにくいです。
カタログによると平打ち加工は、
「フックの軽量化」
「フックの強度アップ」
のためだそうです。
次はポイント(針先)のアップです。
下のマスタッド9672はポイントが甘い、
というよりか、これでは・・・・ですよね。
それでも当時はそんなことお構いなしに、
針先を研がずに使っていたものですから
「フッキングが甘いのはロッドのせい?」
なんて、見当違いをしていたものです。
一応、マスタッド9672の針先は三角形になっており、
今になって考えると
釣り人が研ぎ易いように配慮されていたんでしょうね。
予断ですが、「ケミカルシャープポイントは研いでも針先が出ない」なんて話を良く聞きますが、私は根ガカリ等でポイントが甘くなると研いでいます。
2回ぐらいなら大丈夫ですよ。

マスタッド・カタログをチラ見


手書きのイラストって、良いですね。

2011年11月1日火曜日

スタンダード・フック





左の本は25年前に入手したマスタッドのフライフックのカタログです。
当時は国産のフライフックはなく、日本の多くのフライマンがマスタッドのフックを使用していた思います。
このマスタッドのフライフック、ベテランのみなさんは良くご存知の通り、
「針先は甘く」
「バーブの根元でよく折れ」
「簡単に伸びる」
と今では考えられないような代物だったのですが、
当時、多くのフライマンが参考していたアメリカのフライパターンブックのほとんどにマスタッドのフライフックが使用されていたため、
「そんなもの」
として、普通に使用していました。
その後、国産のフライフックが続々と販売されるのですが、オリジナルのデザインにこだわったせいで、フライを巻くと不細工になってしまいました。
そのため、たとえ性能が悪くとも、マスタッドが手放せない、という状況が続きました。
そんな感覚は私だけではなかったのか?
気が付けば国産フックはマイナーチェンジを続け、
左の写真のように
「スタンダード」はほぼ同じ形になっていました。
「マスタッド94840」を凌駕する、ドライフライフックのスタンダードは当分出てこないでしょう。
(マスタッドはオルコック社のデザインをコピーした、と聞いた事もありますが・・・
オルコックのフライフックは入手困難なので、なんとも言えません)